【告知】いろいろと水没ジオラマ制作手順
Category: 水没ジオラマ
久しぶりの更新です^^;
色々告知しなければならないことがありますので先に書いておきます。
その後に前日の水没ジオラマの制作手順を書きます。
長文(長~い記事)になりますがよろしくお願いします。
告知その1
8/25発売のホビージャパン2015年10月号に私が制作させて頂いた作例が掲載されます。
付録付きになるため本屋さんでは立ち読みできないかもしれませんが是非とも購入して見て頂ければと思います。
今年2月から6月ごろまで制作していましたのでその間制作のツイートなどできず何も作っていないと思われていたと思いますが
やっと情報解禁です。
告知その2
8/22~23日に幕張メッセで開催されるキャラホビ2015のホビージャパンブースにおいて
第17回オラザク選手権サンダーボルト部門金賞の作品「Nest of Vipers」と
↑作品サイズが展示台より大きかったため展示中止となりました(T_T)
8/25発売のホビージャパンに掲載される作例「Bouncer of SandRat」の2作品を展示して頂ける事になりました。
会場に行かれる方はホビージャパンブースにお立ち寄りください!
23日は時間によっては私もいるかもしれません。(基本的に会場内をウロウロしてると思います)

一応公開前なのでモザイクで一部だけ^^;
告知その3
BeeTVで配信される「いい大人のハマる世界」という番組のガンダムを題材にした回に作品と共に出演させて頂きました。
ガンダムの回は2本に分かれていて8月26日と9月2日からの配信となるそうです。
私が出るのは26日の回だけかな?
ドコモの方は無料で見れるとおもいます(たぶん)
ドコモ以外の方は初回31日間は無料で登録できるみたいですので興味のある方は登録して見てみて下さいね。
吉本プラモ部部長のパンクブーブーの佐藤さんも出演されてます!
番組のみどころ(WEBサイトより)
いい大人がハマってしまう“あやしい世界”をランキング形式で紹介! 「地下アイドル」や「心霊スポット」などコアな内容で不思議な時間をお届けします。
何でも思った事をハッキリ言う出演者、いとうせいこう・土田晃之・市川紗椰のやり取りも必見!!ついついハマってしまう情報が満載です!
【番組URL】
http://pc.video.dmkt-sp.jp/ti/10011139/%E3%81%84%E3%81%84%E5%A4%A7%E4%BA%BA%E3%81%8C%E3%83%8F%E3%83%9E%E3%82%8B%E4%B8%96%E7%95%8C?home=on

告知は以上です!
それから先日制作した水没ジオラマですが予想をはるかに上回る反響に驚いています。(何も予想などしてませんでしたが・・・)

お気に入り1万4千リツイート1万って・・・
おそらくこういうシチュエーションが好きな人が多くてこういうジオラマを見た事が無かったためのお気に入りだったんでしょうね。
それにしてもインプレッションの90万って・・・全然イメージできないですね。
ツイートでいくらか説明はしていましたが、ちょっとまとめて制作手順を書いておきます。
まずこのビルのモデルは作ったわけではなくジオクレイパーという商品です。詳しくはコチラ↓
http://geocraper.tokyo/
(WEBサイトより説明)
拡張型都市開発トレーディングフィギュア「ジオクレイパー」とは、「集める、広がる、街ができる」をコンセプトに約1/2500スケールで高層ビルや中層ビル、高速道路や公園などの都市空間を再現した塗装済みスケールモデルです。東京オリンピック開催決定により、ますます注目される「東京」の都市空間を貴方の部屋や机で再現できます。
この製品を使って何か作れないかと前から考えていたのですが、スケールが1/2500という事もあり他の模型と絡めることも難しかったため買ったまま寝かせてあったのですが、水没ジオラマにしたら面白いかな?と思いついて気軽に始めてみたのがきっかけです。
それでは制作手順です。
まずはビルのダメージ表現をリューターを使って行っていきます。
窓の割れた部分や低層階の天窓、ビルのパネルの角などなど
そのままではビル全体が単色ですのでこれをを塗り分けていきます。
低層階や屋上施設など。はみ出しなど多少ありますが結構適当です。

その後窓の凹んだ部分や凹凸のある部分にクレオスのウェザリングカラーのマルチブラックを適当に筆塗りし、はみ出し部分は専用溶剤でふき取ります。
そのAKインタラクティブのスライミーグライムダークAK026を筆で塗り海面下に沈んだ部分に発生した海藻類により緑色になった部分をランダムに筆塗りしていきます。

塗り終わったら鉄道模型用の草色のパウダーや少しくすんだパウダーなどを使って屋上に生えた雑草を制作。
屋上の木はオランダドライフラワーの先端部分に鉄道模型用のカラースポンジを木工用ボンドで接着しその上から
先ほど使った草色のパウダーをまぶしてスポンジ感をなくします。
屋上にも少し砂が積もったように砂色のパウダーも凹んだところにマットメディウムを使って接着。
屋上は本当はレジンを流した後の方が良かったのですが雰囲気を見たくて先にやっちゃいました。。。

砂色のパウダーを使って海底部分に沈殿した砂を表現。パウダーは事前にマットメディウムを水で薄めたものを塗っておいてふりかけます。
海底の枯れた街路樹はオランダドライフラワーで、巨大な海藻類は手芸店などでも売ってる山ゴケを使用。
屋上にも少し使ってます。

これでだいたいのビルと海底の雰囲気は出来たので中に入れるダイオウイカとシロナガスクジラをエポキシパテで制作。
あまりにも小さく固まる前のパテで造形するのはきつかったので少し大きめに大体の形を作っておき固まったものをリューターで削って形を出しました。横にあるのはゴムボートとテント(カッティングマットのメモリは1マス1cmです)

ダイオウイカはこのくらいまで造形してから二本の長い脚だけは細すぎて折れちゃうので0.3mmの銅線にゼリー状瞬着を盛って太さや先端の吸盤部分を造形しました。

色を塗ったらこんな感じ。このイカは0.3mm真鍮線でビルに固定して好みの角度に固定。
見た目がちりめんじゃこの中に入っているイカみたいですね。

ここまでできたら透明樹脂を流し込む準備です。
流し込むのはクリスタルレジンという製品ですが以前のジオラマで使用した残りがあったのでそれを使いました。
流し込む際の型枠を制作するのですがお金がかからないように100均で買ってきたルーズリーフなどのバインダーの表紙の半透明のPP(ポリプロピレン)の部分を切って使いました。
表面がツルツルの方を内側になるようにサイズを測って折り曲げてBOXを作ります。内側にはシリコンバリアを塗っておきます。
クリスタルレジンは小さな隙間からでも漏れやすいので折り曲げたのりしろ部分に木工用ボンドで接着し更にマスキングテープで固定しておきました。
この時は上下は抜けています。

余ったシートで埃よけのフタを作っておきました。

これまた100均で売っているPP製のトレーの上に100均の油粘土を盛ってそこにビルのモデルを固定。(どれだけ100均すきなんだ^^;)
そこに被せるように先ほどのPPの型枠を被せ油粘土に突き刺します。
隙間が出来ないようにしっかり型枠の周りを油粘土で囲みます。

このまま流すとレジンが硬化した熱でPPのシートが柔らかくなり表面がかなり波打ってしまうので
これまた100均で買ってきたMDF(木くず(紙?)を固めたような人工木材)のディスプレーボックス(上下に蓋が無く抜けているもの)を半分に切って90度の板を2枚作りそれで挟み込むようにして固定。
流し込む際はビルの屋上にレジンがかからないようにサランラップで一部を保護してから流し込みました。
レジンへの着色ですが今回使用したレジンが結構古かったので硬化剤が黄ばんできていた為エナメルのクリアブルーを2滴ほど混ぜて色を付けています。黄ばんでいた為ちょうどいい具合の緑色になりました。
この際本来なら中のビルのモデルや流し込むレジンの液体を事前にドライヤーなどで温めておけば気泡が入るのを多少防げるのですが、今回は手を抜いちゃったため細かい気泡が入っちゃっいました。
あと高層ビルが低層階に製品の時点で接着してあったのですが、接着の隙間があったためか中の空気がレジンが硬化する際の熱で膨張して出て来てしまいました。(結果オーライですが。。。)

一度目の流し込みはクジラの入る手前までで一度硬化させ硬化後クジラを瞬着で固定。
その後残りをクジラの体が半分くらい見えるくらいまで流し込んで硬化させます。

硬化後、型枠を外したのがこちら。
思いのほか大きな気泡がビルの下から出て来てますがコレはこれで下層に溜まっていた空気が崩落などのきっかけで一気に噴き出したようにも見えるのでこのままにしておきました。

別アングルで。
水面のフチの部分はレジンの表面張力で少し立ち上がっていますがニッパーなどでカットしてからヤスリ掛けしてある程度平らにしコンパウンドで磨きました。
側面も少し小さな気泡が気になる部分があったので目立たない程度までヤスリ掛けしてコンパウンドで磨きました。

磨き終わったら水面に波を追加していきます。
使うのはジェルメディウムやスーパーヘビージェルメディウム。
画材屋さんや東急ハンズなどでも買えるもので乾く前は白いのですが乾燥すると透明になる木工用ボンドのようなものです。
スーパーヘビージェルメディウムは少し硬めの製品なので角を立てたい部分などに使用します。

それを水面に100均の平筆などで塗って行きます。
クジラの境目やビルにぶつかった波など少し跳ねた感じの部分にはスーパーハードジェルの方を使います。
波のような雰囲気に塗っていくため少し事前に波の画像など見て参考にすると良いと思います。

別アングルでこんな感じ。この写真の際はまだ乾いてません。

ここまで来たら後はベースの制作です。
今回は100均で売っているコレクションケースの背の高いタイプを使用しています。
完成後の持ち運びでの屋上の樹木の保護や家での保管時に埃が被らないようにする為です。
これの下の部分は結構ヒケてるので全体にヤスリ掛けしヒケをなくしておきます。
そこにある程度高さが欲しいのでスタイロフォーム(住宅用建材の断熱材に使用される発泡スチロール)をボルトで固定し
その周りにプラバンを箱組みし高さのあるベースを制作します。
作品側の裏側からも木ねじを使い固定用の突起を作っておき後程スタイロフォームの穴に差し込み接着し強度を確保します。

箱組みしたプラバンをケースの下の部分に接着し塗装を開始します。
錆びた金属の質感にしたかったためまずは黒サフを吹いた後クレオスのスーパーアイアンを吹きます。

そのままだとグレー系のシルバーになってしまうので少し青系にするためクリアブルーを薄めたものをランダムに薄吹きしました。

この上にネービーブルーを吹くのですが塗装がランダムに剥がれた雰囲気を出したいため
整髪料のケープ(スーパーハード)を吹きました。

ケープが生乾きのうちにネービーブルーを中央をうっすら残すように吹き、こちらも乾ききらないうち(5~10分以内)に水で濡らした固めの筆(私がつかってるのは100均で買ったステンシル用の筆)で擦って中央部分を中心に水を含ませ、少し塗料が浮いてきたらボロボロ剥がれるのでティッシュなどでポンポンと叩くようにふき取りいい感じになるようにネービーブルーを残し乾燥させます。

この後一度艶消しトップコートを吹いた後さらにケープを吹き。

アクリルのフラットブラウンをフチの部分を中心に吹きます。
中央はうっすら色が乗る程度。

それを再度水で濡らした固めの筆で擦って剥がしていきこんな感じに。
これだけでも十分錆っぽいのですが、一度艶消しトップコート後、この上にAKインタラクティブの錆色を乗せていきます。

AKの錆色一色目はダークラストデポジット AK4113です。
これを先ほどのフラットブラウンの上あたりに筆でトントンと乗せるように色を置いていきます。
乾いてくるとこんな感じで粉を吹いたみたいになるのでティッシュなどで粉っぽくなった部分をふき取ります。

ふき取るとこのような感じに。

次にメディウムラストデポジット AK4112 を同様にトントンしてふき取り。

さらにライトラストデポジット AK4111でトントンしてふき取り。
最後に水彩色鉛筆の白でタイトルの文字を手書きで書き込み「Under the sea」。
その後艶消しトップコートして表面を保護しておきました。

ビルのある作品部分を接着剤でくっつけたら
屋上にテントを接着したり、
水面にゴムボートを接着したり、
高いビルの屋上の木を大きくしたり。
小さいビルのクジラ側に飛び込み台みたいな板を設置。
乾燥した波の波頭やクジラの周りやビルの周りの水しぶきを艶消し白で筆塗り。
窓や壁にマットメディウムを塗ってから草色のパウダーを振りかけて窓の隙間やビルのパネルの隙間から生えた植物を追加。
し完成です!

ケースを被せたところ。

この後は完成写真(屋内版)







ここからは屋外版(太陽光撮影)








さすがに一気に記事を書くと長すぎますね・・・
最後まで見て頂いた皆様ありがとうございました。
一気に書いたので初めての方には分からない部分もあるかもしれませんが不明点あればブログにコメントください。
さあ、SD選手権用の制作に戻ります。
色々告知しなければならないことがありますので先に書いておきます。
その後に前日の水没ジオラマの制作手順を書きます。
長文(長~い記事)になりますがよろしくお願いします。
告知その1
8/25発売のホビージャパン2015年10月号に私が制作させて頂いた作例が掲載されます。
付録付きになるため本屋さんでは立ち読みできないかもしれませんが是非とも購入して見て頂ければと思います。
今年2月から6月ごろまで制作していましたのでその間制作のツイートなどできず何も作っていないと思われていたと思いますが
やっと情報解禁です。
告知その2
8/22~23日に幕張メッセで開催されるキャラホビ2015のホビージャパンブースにおいて
↑作品サイズが展示台より大きかったため展示中止となりました(T_T)
8/25発売のホビージャパンに掲載される作例「Bouncer of SandRat」の2作品を展示して頂ける事になりました。
会場に行かれる方はホビージャパンブースにお立ち寄りください!
23日は時間によっては私もいるかもしれません。(基本的に会場内をウロウロしてると思います)

一応公開前なのでモザイクで一部だけ^^;
告知その3
BeeTVで配信される「いい大人のハマる世界」という番組のガンダムを題材にした回に作品と共に出演させて頂きました。
ガンダムの回は2本に分かれていて8月26日と9月2日からの配信となるそうです。
私が出るのは26日の回だけかな?
ドコモの方は無料で見れるとおもいます(たぶん)
ドコモ以外の方は初回31日間は無料で登録できるみたいですので興味のある方は登録して見てみて下さいね。
吉本プラモ部部長のパンクブーブーの佐藤さんも出演されてます!
番組のみどころ(WEBサイトより)
いい大人がハマってしまう“あやしい世界”をランキング形式で紹介! 「地下アイドル」や「心霊スポット」などコアな内容で不思議な時間をお届けします。
何でも思った事をハッキリ言う出演者、いとうせいこう・土田晃之・市川紗椰のやり取りも必見!!ついついハマってしまう情報が満載です!
【番組URL】
http://pc.video.dmkt-sp.jp/ti/10011139/%E3%81%84%E3%81%84%E5%A4%A7%E4%BA%BA%E3%81%8C%E3%83%8F%E3%83%9E%E3%82%8B%E4%B8%96%E7%95%8C?home=on

告知は以上です!
それから先日制作した水没ジオラマですが予想をはるかに上回る反響に驚いています。(何も予想などしてませんでしたが・・・)

お気に入り1万4千リツイート1万って・・・
おそらくこういうシチュエーションが好きな人が多くてこういうジオラマを見た事が無かったためのお気に入りだったんでしょうね。
それにしてもインプレッションの90万って・・・全然イメージできないですね。
ツイートでいくらか説明はしていましたが、ちょっとまとめて制作手順を書いておきます。
まずこのビルのモデルは作ったわけではなくジオクレイパーという商品です。詳しくはコチラ↓
http://geocraper.tokyo/
(WEBサイトより説明)
拡張型都市開発トレーディングフィギュア「ジオクレイパー」とは、「集める、広がる、街ができる」をコンセプトに約1/2500スケールで高層ビルや中層ビル、高速道路や公園などの都市空間を再現した塗装済みスケールモデルです。東京オリンピック開催決定により、ますます注目される「東京」の都市空間を貴方の部屋や机で再現できます。
この製品を使って何か作れないかと前から考えていたのですが、スケールが1/2500という事もあり他の模型と絡めることも難しかったため買ったまま寝かせてあったのですが、水没ジオラマにしたら面白いかな?と思いついて気軽に始めてみたのがきっかけです。
それでは制作手順です。
まずはビルのダメージ表現をリューターを使って行っていきます。
窓の割れた部分や低層階の天窓、ビルのパネルの角などなど
そのままではビル全体が単色ですのでこれをを塗り分けていきます。
低層階や屋上施設など。はみ出しなど多少ありますが結構適当です。

その後窓の凹んだ部分や凹凸のある部分にクレオスのウェザリングカラーのマルチブラックを適当に筆塗りし、はみ出し部分は専用溶剤でふき取ります。
そのAKインタラクティブのスライミーグライムダークAK026を筆で塗り海面下に沈んだ部分に発生した海藻類により緑色になった部分をランダムに筆塗りしていきます。

塗り終わったら鉄道模型用の草色のパウダーや少しくすんだパウダーなどを使って屋上に生えた雑草を制作。
屋上の木はオランダドライフラワーの先端部分に鉄道模型用のカラースポンジを木工用ボンドで接着しその上から
先ほど使った草色のパウダーをまぶしてスポンジ感をなくします。
屋上にも少し砂が積もったように砂色のパウダーも凹んだところにマットメディウムを使って接着。
屋上は本当はレジンを流した後の方が良かったのですが雰囲気を見たくて先にやっちゃいました。。。

砂色のパウダーを使って海底部分に沈殿した砂を表現。パウダーは事前にマットメディウムを水で薄めたものを塗っておいてふりかけます。
海底の枯れた街路樹はオランダドライフラワーで、巨大な海藻類は手芸店などでも売ってる山ゴケを使用。
屋上にも少し使ってます。

これでだいたいのビルと海底の雰囲気は出来たので中に入れるダイオウイカとシロナガスクジラをエポキシパテで制作。
あまりにも小さく固まる前のパテで造形するのはきつかったので少し大きめに大体の形を作っておき固まったものをリューターで削って形を出しました。横にあるのはゴムボートとテント(カッティングマットのメモリは1マス1cmです)

ダイオウイカはこのくらいまで造形してから二本の長い脚だけは細すぎて折れちゃうので0.3mmの銅線にゼリー状瞬着を盛って太さや先端の吸盤部分を造形しました。

色を塗ったらこんな感じ。このイカは0.3mm真鍮線でビルに固定して好みの角度に固定。
見た目がちりめんじゃこの中に入っているイカみたいですね。

ここまでできたら透明樹脂を流し込む準備です。
流し込むのはクリスタルレジンという製品ですが以前のジオラマで使用した残りがあったのでそれを使いました。
流し込む際の型枠を制作するのですがお金がかからないように100均で買ってきたルーズリーフなどのバインダーの表紙の半透明のPP(ポリプロピレン)の部分を切って使いました。
表面がツルツルの方を内側になるようにサイズを測って折り曲げてBOXを作ります。内側にはシリコンバリアを塗っておきます。
クリスタルレジンは小さな隙間からでも漏れやすいので折り曲げたのりしろ部分に木工用ボンドで接着し更にマスキングテープで固定しておきました。
この時は上下は抜けています。

余ったシートで埃よけのフタを作っておきました。

これまた100均で売っているPP製のトレーの上に100均の油粘土を盛ってそこにビルのモデルを固定。(どれだけ100均すきなんだ^^;)
そこに被せるように先ほどのPPの型枠を被せ油粘土に突き刺します。
隙間が出来ないようにしっかり型枠の周りを油粘土で囲みます。

このまま流すとレジンが硬化した熱でPPのシートが柔らかくなり表面がかなり波打ってしまうので
これまた100均で買ってきたMDF(木くず(紙?)を固めたような人工木材)のディスプレーボックス(上下に蓋が無く抜けているもの)を半分に切って90度の板を2枚作りそれで挟み込むようにして固定。
流し込む際はビルの屋上にレジンがかからないようにサランラップで一部を保護してから流し込みました。
レジンへの着色ですが今回使用したレジンが結構古かったので硬化剤が黄ばんできていた為エナメルのクリアブルーを2滴ほど混ぜて色を付けています。黄ばんでいた為ちょうどいい具合の緑色になりました。
この際本来なら中のビルのモデルや流し込むレジンの液体を事前にドライヤーなどで温めておけば気泡が入るのを多少防げるのですが、今回は手を抜いちゃったため細かい気泡が入っちゃっいました。
あと高層ビルが低層階に製品の時点で接着してあったのですが、接着の隙間があったためか中の空気がレジンが硬化する際の熱で膨張して出て来てしまいました。(結果オーライですが。。。)

一度目の流し込みはクジラの入る手前までで一度硬化させ硬化後クジラを瞬着で固定。
その後残りをクジラの体が半分くらい見えるくらいまで流し込んで硬化させます。

硬化後、型枠を外したのがこちら。
思いのほか大きな気泡がビルの下から出て来てますがコレはこれで下層に溜まっていた空気が崩落などのきっかけで一気に噴き出したようにも見えるのでこのままにしておきました。

別アングルで。
水面のフチの部分はレジンの表面張力で少し立ち上がっていますがニッパーなどでカットしてからヤスリ掛けしてある程度平らにしコンパウンドで磨きました。
側面も少し小さな気泡が気になる部分があったので目立たない程度までヤスリ掛けしてコンパウンドで磨きました。

磨き終わったら水面に波を追加していきます。
使うのはジェルメディウムやスーパーヘビージェルメディウム。
画材屋さんや東急ハンズなどでも買えるもので乾く前は白いのですが乾燥すると透明になる木工用ボンドのようなものです。
スーパーヘビージェルメディウムは少し硬めの製品なので角を立てたい部分などに使用します。

それを水面に100均の平筆などで塗って行きます。
クジラの境目やビルにぶつかった波など少し跳ねた感じの部分にはスーパーハードジェルの方を使います。
波のような雰囲気に塗っていくため少し事前に波の画像など見て参考にすると良いと思います。

別アングルでこんな感じ。この写真の際はまだ乾いてません。

ここまで来たら後はベースの制作です。
今回は100均で売っているコレクションケースの背の高いタイプを使用しています。
完成後の持ち運びでの屋上の樹木の保護や家での保管時に埃が被らないようにする為です。
これの下の部分は結構ヒケてるので全体にヤスリ掛けしヒケをなくしておきます。
そこにある程度高さが欲しいのでスタイロフォーム(住宅用建材の断熱材に使用される発泡スチロール)をボルトで固定し
その周りにプラバンを箱組みし高さのあるベースを制作します。
作品側の裏側からも木ねじを使い固定用の突起を作っておき後程スタイロフォームの穴に差し込み接着し強度を確保します。

箱組みしたプラバンをケースの下の部分に接着し塗装を開始します。
錆びた金属の質感にしたかったためまずは黒サフを吹いた後クレオスのスーパーアイアンを吹きます。

そのままだとグレー系のシルバーになってしまうので少し青系にするためクリアブルーを薄めたものをランダムに薄吹きしました。

この上にネービーブルーを吹くのですが塗装がランダムに剥がれた雰囲気を出したいため
整髪料のケープ(スーパーハード)を吹きました。

ケープが生乾きのうちにネービーブルーを中央をうっすら残すように吹き、こちらも乾ききらないうち(5~10分以内)に水で濡らした固めの筆(私がつかってるのは100均で買ったステンシル用の筆)で擦って中央部分を中心に水を含ませ、少し塗料が浮いてきたらボロボロ剥がれるのでティッシュなどでポンポンと叩くようにふき取りいい感じになるようにネービーブルーを残し乾燥させます。

この後一度艶消しトップコートを吹いた後さらにケープを吹き。

アクリルのフラットブラウンをフチの部分を中心に吹きます。
中央はうっすら色が乗る程度。

それを再度水で濡らした固めの筆で擦って剥がしていきこんな感じに。
これだけでも十分錆っぽいのですが、一度艶消しトップコート後、この上にAKインタラクティブの錆色を乗せていきます。

AKの錆色一色目はダークラストデポジット AK4113です。
これを先ほどのフラットブラウンの上あたりに筆でトントンと乗せるように色を置いていきます。
乾いてくるとこんな感じで粉を吹いたみたいになるのでティッシュなどで粉っぽくなった部分をふき取ります。

ふき取るとこのような感じに。

次にメディウムラストデポジット AK4112 を同様にトントンしてふき取り。

さらにライトラストデポジット AK4111でトントンしてふき取り。
最後に水彩色鉛筆の白でタイトルの文字を手書きで書き込み「Under the sea」。
その後艶消しトップコートして表面を保護しておきました。

ビルのある作品部分を接着剤でくっつけたら
屋上にテントを接着したり、
水面にゴムボートを接着したり、
高いビルの屋上の木を大きくしたり。
小さいビルのクジラ側に飛び込み台みたいな板を設置。
乾燥した波の波頭やクジラの周りやビルの周りの水しぶきを艶消し白で筆塗り。
窓や壁にマットメディウムを塗ってから草色のパウダーを振りかけて窓の隙間やビルのパネルの隙間から生えた植物を追加。
し完成です!

ケースを被せたところ。

この後は完成写真(屋内版)







ここからは屋外版(太陽光撮影)








さすがに一気に記事を書くと長すぎますね・・・
最後まで見て頂いた皆様ありがとうございました。
一気に書いたので初めての方には分からない部分もあるかもしれませんが不明点あればブログにコメントください。
さあ、SD選手権用の制作に戻ります。
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水没ジオラマ,拝見しました。
素敵ですね。
特に,太陽光の下での撮影が圧巻です。
いつまでも見ていたいと思いました。
貴重な作品の制作過程の公開,
ありがとうございます。